R3.6  防災機能を備えた総合体育館の建設

 6月12日は「みやぎ県民防災の日」です。これは、昭和53年6月12日に発生した宮城県沖地震などを風化させないために制定されたものです。はや、宮城県沖地震から43年、東日本大震災からでも10年が経過しましたが、ここにきて再び、大きな揺れの地震が頻発しており、今後大規模な地震が起こるのではないかと心配でなりません。また、もうひとつの心配ごとは、平成25年に柴田町民体育館が解体されて以来、多くの町民を収容できる避難所が確保されていないことです。
 そこで、柴田町民体育館に代わる大規模な避難所として想定したのが、総合体育館の建設でした。平成24年にスポーツ文化ゾーン整備方針を立て、その建設用地として、議員全員の賛同を得て取得したのが旧不ニトッコン跡地です。
 しかし、東日本大震災後は学校の校舎、体育館、武道館の大規模改修や修繕、エアコンの設置やトイレの洋式化などの事業を優先せざるを得ず、総合体育館建設は遅々として進みませんでした。ここにきて学校の環境整備について、ほぼ完了の見通しが立ちましたので、昨年、陸上自衛隊船岡駐屯地の皆さまの協力を得て土地の造成工事を終えたところです。さらに、今年度においては「実現可能性調査コンサルタント委託料」を予算化し、民間の資金を活用した建設手法を検討することにいたしました。
 平成30年度に策定した柴田町総合体育館基本設計をベースに、バスケットボールコート2面、観客席、シャワールームなどを最低限の標準装備とし、さらに防災機能の併設を募集要綱に盛り込んでまいります。その上で、民間ならではのユニークな提案がなされることを期待するものです。
 来年の3月会議前までには、従来の建設手法と公民連携(PPP・PFI)による建設手法とを比較検討し、柴田町の身の丈に合った総合体育館を建設したいと思っています。
 一方で町民の間には、少子高齢社会が進展する中でスポーツ人口が減っており、「いまさら大きな総合体育館を造らなくても良いのでは」との声があることは承知しております。しかし、“いざ災害”が起こったときに多くの町民の皆さまが、応急復旧が終わるまでの間、安心して避難生活を送ることができる場所を確保しておくことは、行政の責務ではないかと考えております。
 議会の判断がどのように示されるか分かりませんが、早く柴田町のシンボルとなるような防災機能を備えた総合体育館を建設し、”いざ災害”という時に備えたいと思います。

 

                                             柴田町長 滝口 茂

R3.5  地方議員のなり手不足

 4月から新しい議員構成による、柴田町の通年議会がスタートしましたが、今、地方議会で問題となっているのが議員のなり手不足です。柴田町議会でも例外ではなく、3月の町議会議員選挙は無投票となりました。
 なぜ、住民に一番身近で、住民の声を直接政治や行政に反映させやすい地方議員のなり手が少ないのか。その要因の一つに、住民自身が地方政治に関心を持たなくなってきた点が挙げられています。
 国が国民の生活水準を保障する「ナショナルミニマム」が十分に達成されなかった時代、政治への関心はもっぱら政治家に頼んで、少しでも自分が住んでいる地域や団体の利益を守ろうとすることでした。そのため、地方選挙では、自分たちの意に沿った政治家を当選させようと、“津軽選挙”という言葉も生まれる程、激しい選挙戦が繰り広げられました。
 しかし、ある程度ナショナルミニマムが達成されてきますと、住民の関心は地方の政治から、子育て支援や社会保障、環境問題、消費税など、個人の生活に直結する国政へと移っていった経緯があります。
 二つに、地方議員の報酬の問題です。専門職である国会議員や県議会議員とは異なり、市町村議員は今なお、“ボランティアで良い”という考えを持つ住民も多いため、報酬は低額となっています。これでは、若い議員が家族を養いながら常時議員活動を行うことは困難です。さらに、4年に一度、選挙の洗礼を受けなければなりませんので、若い人はリスクを犯してまで地方議員になろうと思わないのは当然なのかもしれません。
 そこで、柴田町議会では、もっと議会や議員活動を住民の皆さんに知ってもらおうと、高校生とのワールドカフェや住民参加型のシンポジウムの開催、PDCAサイクルに基づく予算審査など、率先して議会改革を行っています。こうした先駆的な取り組みは、地方行政の専門誌「月刊 ガバナンス」でも紹介されました。
 地方議員のなり手不足の解消は、こうした改革を通して地方議員のやりがいを知ってもらうとともに、幅広い層の住民が議員として活躍できる仕組みづくりや、議員活動と生活が両立できる適正な報酬を用意することが必要です。
 幸い、今回の選挙では、なり手不足の中にあっても、4人の新人議員が誕生しました。ぜひ、新たな考え方のもとで、柴田町議会の改革がさらに加速し、地方議員に関心を示す若者が多くなることを期待しています。

                                 

                                                                                                              柴田町長 滝口 茂