R1.8  サイクルツーリズムの推進

 
   サイクルツーリズムが再びブームとなっています。1970年代に一度、手軽で便利な移動手段として自転車がブームとなったことがあります。
 その時は、急激に増えた自転車利用者によって、駅前の駐輪場が放置自転車で溢れ、社会問題にもなりました。その対策として、駅前に自転車ステーションを設け、誰もが自由に利用できる仕組みづくりが行われました。町も試験的に取り組んでみましたが、貸し出された自転車があちらこちらに放置されるトラブルが相次ぎ、長続きしませんでした。
 ここにきて再びブームに火がついたのは、健康志向の高まりや環境に負荷をかけない乗り物として、自転車が見直されるようになったからです。2016年に自転車活用推進法が制定され、本格的に自転車を活用したまちづくりを進めることになりました。地方自治体においても、この自転車ブームを地方の活性化に結びつけようと、新たな切り口からさまざまな取り組みが行われるようになっています。
 一つに、公道を使ってタイムを競うロードレース大会です。蔵王町の「蔵王ヒルクライム」が有名で、蔵王エコーラインや蔵王ハイラインを舞台に行われています。
 二つに、愛車と一緒にサイクルトレインで目的地まで行き、その地域のサイクリングロードを周遊するものです。昨年、「サイクルトレイン牡鹿号」が運行され、新たなサイクルツーリズムの楽しみ方となっています。
 三つには、地元の人たちと交流しながら自然や名所やグルメタン探訪を楽しむサイクルイベントです。丸森町の「サイクルフェスタ丸森」が大人気です。
 柴田町もサイクルツーリズムを一つの切り口として、新たな観光まちづくりに取り組むことにしました。今回、地方創生拠点整備交付金を活用し、太陽の村に「キッズバイクパーク」として、キッズバイク公認コース、キッズバイク管理棟、古くなった宿泊施設を改修しての室内遊び場「キッズ遊びの棟」の三つを整備します。子どもたちには、混み合った町場を離れて、この広々とした太陽の村で、自分の足でペダルを踏んで、スリル感や爽快感を味わってほしいと願っています。
 今後、太陽の村が子どもたちにとっての自転車の中心地となるよう整備を進めるとともに、ここを拠点にサイクルツーリズムがさらに盛り上がることを期待しています。

                                              柴田町長 滝口 茂

R1.7  国の資金の有効活用

  7月には、今年度の町政運営に大きな影響を及ぼす、地方交付税が国から内示されます。なぜ、内示を気にするかと言いますと、例年、地方交付税は約24億円余りで、一般会計予算約117億円のうち、歳入の約20%を占めており、内示された額が当初予算計上額より多ければ、新たな住民サービスが追加できますし、もし予算割れするようであれば、その分、住民サービスを縮小しなければならなくなるからです。
 本来ならば、地方で提供する住民サービスについては、地方が集める税金で賄えるような税制でなければならないのですが、現実はそうなっていません。国と地方との財政構造を大まかに申しますと、提供する住民サービスの割合は、国が1/3、地方が2/3であるのに対し、税収は、国が2/3、地方が1/3の割合となっていますので、常に地方は、慢性的な財源不足に陥ることになります。
 このように、自前のお金で3割しか住民サービスが賄えない地方の財政状況を揶揄して「3割自治」と称されています。そのため地方自治体は、やむを得ず、国のお金をあてにして、陳情活動を展開し、我田引水が図ることになります。地元に、いかに国のお金を持ってくるか、つまり、いかに我田引水を図れるかで、政治家の力量が評価されてきたのが、これまでの政治の有り様でした。
 しかし、ここにきて、これまでの政治の有り様が少し変わり始めました。その象徴となった国の政策が「まち・ひと・しごと創生総合戦略」です。この事業は、これまでのように国が示したメニューの中から地方が選ぶのではなく、地方が独自で考えた政策を国が全面的に支援する仕組みとなっています。
 町は、これまで「花のまち柴田」と「里山ビジネスの振興」をテーマに、10の事業を率先して提案したところ、全ての事業が国に認められました。県内で完勝したのは柴田町だけです。最近認められた事業が、キッズバイクパーク整備に伴う、太陽の村のリニューアル化で、今後子どもたちの自転車のメッカにしたいと考えています。
 このように、町は地方交付税の配分に一喜一憂しながらも、一方で、自ら独自の政策を提案し、国の資金を有効に活用しながら、財源不足を補っているのです。

                                              柴田町長 滝口 茂

R1.6  ジューンブライド 6月の花嫁

 ジューンブライドとは、6月の花嫁のことで、欧米ではこの月に結婚すると幸せになれるという言い伝えがあります。

 今、交際を続けているカップルの皆さんが、6月のプロポーズによって結婚に至ってくれればと期待をしているところです。

ところが、私の期待とは裏腹に、わが国の結婚の現状を見てみますと、平成30年の婚姻件数は約59万件で戦後最低の記録となってしまいました。なぜ、結婚する若者が少なくなっているのか、さまざまな要因があるようです。

 若者から聞こえてくる声は、「良い相手に巡り合えない」とか、「恋愛より仕事が忙しい」などで、特に男性からの「現在の給料では家族を養う自信がない」との発言には、身につまされる思いをしています。結婚して新しい家庭を築くことが若者に選択されなくなっているのが、わが国の厳しい現状なのです。

 若者の皆さんの結婚観に私がとやかく意見を述べる立場にはないのですが、社会全体を維持発展させていかなければならないといった使命を負っている町長からすると、将来に対し少し不安がよぎります。

 今後、独身者の皆さんが年老いていった場合、周りに家族や親戚もいない状況となるわけですから、病気やけがをした際に、誰が面倒を見るのかといったことが、大きな社会問題となってきます。

 そこで、国や、一部の自治体においては、若者の婚活や結婚を支援するため、お見合いマッチングや多人数で参加する婚活パーティなどの取り組みを始めたところも出てきました。しかし、お堅い役所が行うだけに、なかなか成果が上がっていない面もあるようです。

 こうした現状から、町としては、地道ではありますが、若者が安心して結婚し、子供を生み育てられるよう、ワークライフバランスのとれた、ゆとりのある生活を支援する環境を整備することや、若者同士が出会う機会が多い活気のあるまちづくりを進め、婚活につなげてまいります。

 6月21日には紫陽花まつりが始まります。色鮮やかな紫陽花の花園でのプロポーズによって、お二人のジューンブライドがかなうことを願っています。

                                             柴田町長 滝口 茂

R1.5  人生、決意新たに

 5月で68才の誕生日を迎えます。既に人生100年時代の後半戦に入っただけに、寄る年波には勝てず、足腰の痛みや目の衰え、しわも増えるなど、身体の老化を意識せざるを得なくなっています。しかし、気持ちはまだ青春時代のままです。

 昨今、歌番組を見て、時の流れを肌で感じました。ショックだったのは、全盛期の頃、子どもから大人までその名前を知らない人はいないピンクレディーのお二人が、還暦を過ぎていたという事実でした。青春時代に国民的アイドルとなった栄光と、解散後においては重い病気や離婚を経験するといった挫折を味わったお二人。60才にして当時の歌や踊りを軽快に披露する姿を見て、あっという間に過ぎ去った日を懐かしんだり、時の速さを恨めしく思ったりしたところです。

 私の人生を振り返ると、その時々の年代ごとに失敗や悩みや苦しみ、いら立ちもありましたし、町政においても何度か危機に直面したこともありました。しかし、総じて言えば、多くの人の支えもあり、ついて(●●●)いる(●●)人生模様だったと言えるかもしれません。

 座右の銘ではないのですが、人生においては、常に「自分はついている」とポジティブに物事を考えることを心掛けています。時としてうまくいかない場合があったとしても、「災い転じて福となす」ということわざもあるので、次の成功に向けて、その試練を乗り越える術を探すようにしてきました。

 おかげさまで、柴田町は順調に航行することができています。自分は「ついている、ついている」と暗示をかけていると、得てして向こうから幸運が舞い込んでくるから不思議です。

 人生100年時代の下り坂を歩み始めると、人と人との別れの場面に出会う機会が多くなり、喪失感を抱き、生きる目標を見失いがちになります。

 一方で、80才を越えた加山雄三さんも、私と同じ年の笑福亭鶴瓶さんも、現役でバリバリ活躍しています。私も今日を節目に、「柴田町を世界に拓かれた桜の名所にする」という、次なる目標に向かってチャレンジしたいと決意を新たにしています。

 晩年の人生であっても、そこに新たな目標を見つければ、その日が新たな出発点になるのだと思います。

                                             柴田町長 滝口 茂