○柴田町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例
令和5年12月8日
条例第24号
(目的)
第1条 この条例は、町の豊かな自然環境や美しい景観及び地域住民等の安全安心で快適な生活環境(以下「自然環境等」という。)と再生可能エネルギー発電設備を設置する事業との調和を図るため、事業者の手続その他必要な事項を定め、もって自然環境等に配慮した災害のない豊かで持続的な地域社会の発展に寄与することを目的とする。
(1) 再生可能エネルギー源 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「法」という。)第2条第3項に規定する再生可能エネルギー源をいう。
(2) 再生可能エネルギー発電設備 法第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備をいう。
(3) 事業 再生可能エネルギー発電設備の設置、当該設備を設置するために行われる土地の造成工事(立木の伐採、切土、盛土等を含む。)及び当該設備により発電を行う事業をいう。
(4) 事業者 事業を計画し、これを実施する者(国及び地方公共団体を除く。)をいう。
(5) 事業区域 事業を行う一団の土地(再生可能エネルギー発電設備に附属する管理施設、変電施設、緩衝帯等に係る土地を含む。)の区域であって、柵、塀等の工作物の設置その他の方法により当該一団の土地以外の土地と区別された区域をいう。
(6) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(7) 地域住民等 事業区域の全部又は一部をその区域に含む行政区の区域に居住する者及び事業の実施により自然環境、生活環境又は景観その他の地域環境に著しい影響を受けるおそれがある地域に居住する者及びこれらの区域に所在する法人その他団体並びに土地若しくは建築物を所有し、又は使用する者をいう。
(8) 土地所有者等 事業区域内に存する土地の所有者、占有者又は管理者をいう。
(9) 廃棄物 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。
(町の責務)
第3条 町は、第1条の目的を達成するため、この条例の適切かつ円滑な運用を図らなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守するとともに、自然環境等の保全及び災害の防止に十分配慮し、地域住民等との良好な関係を保つよう努めなければならない。
2 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域の適正な管理を行うとともに、当該事業区域の周辺環境へ配慮しなければならない。
3 事業者は、事業で発生する廃棄物を適正に処理するとともに、事業を終了しようとするときは、再生可能エネルギー発電設備を放置することなく速やかに撤去し、及び適正に処分し、並びに事業区域に係る土地を原状に回復しなければならない。
(町民の責務)
第5条 町民は、町の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。
(土地所有者等の責務)
第6条 土地所有者等は、事業区域を適正に管理するとともに、この条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。
(適用を受ける事業)
第7条 この条例の規定は、発電出力10キロワット以上の事業に適用する。ただし、太陽光を再生可能エネルギー源とする事業で、次に掲げる事業については、この限りでない。
(1) 建築物の屋根、屋上又は壁面で行う事業
(2) 次条第1項に規定する抑制区域外の区域において、個人が自己の居住する土地及び隣接する土地で行う発電出力50キロワット未満の太陽光を再生可能エネルギー源とする事業
(抑制区域)
第8条 町長は、災害の防止並びに自然環境、生活環境及び歴史的、文化的景観の保全のため、特に配慮が必要と認められる区域を再生可能エネルギー発電設備の抑制区域として、規則で定めるところにより、指定するものとする。
2 町長は、事業者に対し、前項の規定により指定した抑制区域を事業区域に含めないよう求めることができる。
(説明会の開催)
第9条 事業者は、事業を実施しようとするときは、次条第1項の規定による協議を行う前に、地域住民等に対し、当該事業の計画(以下「事業計画」という。)に関する説明会を開催しなければならない。
2 事業者は、次条第3項の規定による変更の協議を行う前に、地域住民等に対し、事業の変更に関する説明会を開催しなければならない。ただし、事業の変更が規則で定める軽微なものについては、この限りでない。
3 地域住民等は、規則で定めるところにより、事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができる。
4 事業者は、前項の規定による意見の申出があったときは、規則に定めるところにより見解書を作成し、当該申出をした地域住民等へ提出し、事業の実施に関し理解を得なければならない。
(協議)
第10条 事業者は、事業を実施しようとするときは、あらかじめ町に対し事業計画に関する情報提供及び相談を行うものとし、再生可能エネルギー発電設備の設置に係る工事(以下「工事」という。)の着手予定日の90日前までに、規則で定めるところにより必要な書類を町長に届け出て、協議しなければならない。
2 事業者は、事業区域内に抑制区域を含むときは、抑制区域内において想定される影響とその対策について町長に申出しなければならない。
3 事業者は、前2項の規定により協議をした事項を変更しようとするときは、速やかにその旨を町長に届け出て、協議しなければならない。
(協議結果の通知)
第11条 町長は、前条の規定による協議が終了したときは、事業者に協議の結果について通知するものとする。
2 町長は、必要に応じて前項の規定による通知に意見を付すことができる。
3 事業者は、第1項の規定による通知を受けるまでは、工事に着手してはならない。
(工事に係る着手等の届出)
第12条 事業者は、工事に着手し、又は工事を完了し、中止し、若しくは中止していた工事を再開するときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。
(工事の確認)
第13条 町長は、前条の規定による届出があったときは、速やかに当該事業区域を確認するものとする。
(維持管理)
第14条 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に保つよう維持管理しなければならない。
2 事業者は、災害等により再生可能エネルギー発電設備が破損し、第三者に被害を与えるおそれがあるときは、直ちにその状況の確認を行い、必要な措置を講じ、その結果を速やかに町長に報告しなければならない。
(地位の承継)
第15条 事業者から事業譲渡等によりその地位を承継した者は、地位を承継した日から起算して30日以内に町長に届け出なければならない。
(事業の終了等)
第16条 事業者は、事業を終了したときは、事業を終了した日から起算して30日以内に町長に届け出なければならない。
2 事業者は、再生可能エネルギー発電設備の撤去が完了したときは、撤去を完了した日から起算して30日以内に町長に届け出なければならない。
(報告及び立入調査)
第17条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又は町の職員に事業区域に係る土地に立ち入らせ、当該事業に関する事項について調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査を行う町の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(助言、指導又は勧告)
第18条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう助言又は指導を行うことができる。
2 町長は、次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) 第10条の規定による協議を行わないとき、又はその内容に虚偽があるとき。
(2) 第11条第3項の規定に違反し、工事に着手したとき。
(4) 正当な理由がなく前項の規定による助言又は指導に従わなかったとき。
(公表)
第19条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく勧告に従わないときは、当該勧告に従わない事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者に弁明の機会を与えなければならない。
(他自治体の条例との関係)
第20条 事業者がその設置する再生可能エネルギー発電設備を町と他の自治体にまたがる区域に設置する場合、その適正な設置、維持管理、廃棄等に関し、当該他の自治体において適用される関係法令のほか、この条例の規定に基づき、適正に手続をしなければならない。
(委任)
第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に事業に着手したものについては、この条例の規定は、適用しない。
3 施行日以後90日を経過する日までの間に事業に着手しようとする場合においては、第10条第1項中「着手予定日の90日前までに」とあるのは、「着手後、速やかに」と読み替えるものとする。