○柴田町男女共同参画推進条例

平成24年1月25日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本理念(第3条)

第3章 町、住民、事業者及び教育関係者の責務(第4条―第7条)

第4章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限(第8条・第9条)

第5章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第10条―第20条)

第6章 柴田町男女共同参画審議会(第21条)

第7章 雑則(第22条)

附則

前文

すべての人が、性別や年齢にかかわりなく個人として尊重され、自らの意思により個性と能力を発揮できる社会を実現することは、私たち住民の願いです。

柴田町では、男女が共に自立し、あらゆる分野に参画できるまちづくりを目指し、平成10年に男女共同参画都市を宣言しました。また、男女共同参画社会基本法の精神に基づき、男女共同参画社会形成のための取組を進めてきました。

しかしながら、性別による固定的な役割分担意識と、それに基づく社会の制度や慣行は根強く残っており、社会の様々な分野で男女間の格差が生じています。このような状況を改善し、すべての人が自らの意思で多様な生き方を選択し、共に責任をもって築き上げる真の男女共同参画社会の実現が望まれます。

私たちは男女が平等な社会の実現を目指し、町と住民が互いに協力しながら男女共同参画を推進するため、住民の参画によりこの条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女の人権の尊重及び平等の理念に基づき、男女共同参画の推進に関する基本理念(以下「基本理念」といいます。)を定めるとともに、町、住民、事業者及び教育関係者の責務及び施策を明らかにすることにより、心豊かで活力ある男女共同参画社会を実現することを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、次のとおり定めます。

(1) 男女共同参画 すべての人が、性別にかかわりなく、互いにその人権を尊重しつつ、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画し、責任を担うことをいいます。

(2) 住民 町内に居住する人、通勤又は通学をする人及び町内で活動する人をいいます。

(3) 事業者 町内において営利又は非営利を問わず事業活動を行う個人及び団体をいいます。

(4) 教育関係者 学校教育、社会教育その他のあらゆる教育にかかわる人をいいます。

(5) 積極的改善措置 男女共同参画を推進するため、必要な範囲内において、男女間の格差を積極的に改善することをいいます。

(6) 性別による人権侵害行為 性別による差別的取り扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスなどをいいます。

(7) セクシュアル・ハラスメント(性的いやがらせ) 相手の意に反する性的言動により、相手に不快感若しくは不利益を与え、又は就業その他の生活環境を害することをいいます。

(8) ドメスティック・バイオレンス(配偶者等への暴力) 配偶者その他の親密な関係にある者による身体的、精神的、性的又は経済的な暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動をいいます。

第2章 基本理念

第3条 男女共同参画の推進に当たり、次に掲げる事項を基本理念とします。

(1) 男女の人権の尊重 男女の個人としての人権が尊重され性別による差別的な取扱いを受けないこと、個人としての能力を発揮する機会が確保されること及び性同一性障害を持つ人その他の多様な性を持つ人の人権についても配慮すること。

(2) 暴力の根絶 ドメスティック・バイオレンス及びセクシュアル・ハラスメントを根絶すること。

(3) 社会制度又は慣行についての配慮 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会的な制度又は慣行を解消し、すべての人が社会における活動の選択を自由に行えること。

(4) 共同参画の機会確保 町の政策、地域及び事業者等における方針の立案及び決定に男女が共同して参画する機会を確保するために、積極的改善措置をとること。

(5) 家庭生活及びその他の活動の両立 性別にかかわりなく誰もが家族の一員として、社会的支援の下に子ども・青少年の養育、家族の介護その他の家庭生活、学校、職場、地域等の活動を両立できるようにすること。

(6) 性と生殖に関する健康と権利の確保 男女が互いに尊重し合い、生涯にわたり健康な生活を営むこと。妊娠、出産その他の性と生殖に関しては、産む性としての女性の身体的機能に配慮し、その自己選択及び自己決定権が尊重されること。

(7) 国際社会との協調 国際社会の取組を十分理解し、男女共同参画の推進に関する施策への反映に努めること。

第3章 町、住民、事業者及び教育関係者の責務

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念に基づき、男女共同参画の推進を主要な政策として位置付け、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、実施します。

2 町は、男女共同参画の推進に当たっては、住民、事業者、教育関係者、国、県及び他の地方公共団体と連携して取り組みます。

(住民の責務)

第5条 住民は、基本理念に基づき、家庭、学校、職場、地域その他のあらゆる分野に、積極的に参画するとともに、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めます。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、事業活動を行うに当たって、男女共同参画を積極的に推進するとともに、働く男女が仕事と家庭生活等とを両立させることができるよう適切な職場環境を整備し、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めます。

(教育関係者の責務)

第7条 教育関係者は、基本理念に基づき、地域、学校、家庭等の相互の連携を図りながら男女共同参画の推進に努めます。

第4章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限

(性別による権利侵害の禁止)

第8条 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、性別を理由として、直接的にも間接的にも差別的な取扱いをしてはなりません。

2 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメント又はドメスティック・バイオレンスを行ってはなりません。

(情報に関する留意)

第9条 すべての人は、住民に情報を提供するに当たっては、性別による固定的な役割分担及び前条に規定する行為を助長し、又は連想させるような表現その他過度な性的表現を行わないよう努めなければなりません。

第5章 男女共同参画を推進するための基本的施策

(基本計画)

第10条 町長は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」といいます。)を策定します。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めます。

(1) 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な施策の大綱

(2) 男女の人権の尊重に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、柴田町男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、住民、事業者及び教育関係者の意見を反映するよう努めます。

4 町長は、基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表します。

(施策の策定)

第11条 町は、施策の実施に当たっては、次に掲げる事項を行います。

(1) 施策の策定及び実施に当たっては、男女共同参画の形成に配慮すること。

(2) 基本理念に関する理解を深めるため、住民、事業者及び教育関係者へ情報の提供、広報啓発活動、学習の機会その他適切な施策を講ずること。

(3) 男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施するため、必要な調査研究を行い、その結果を公表すること。

(4) 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備し、常に関係機関と連携及び協力するよう努めること。

(5) 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めること。

(6) 毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表すること。

(教育の分野における施策)

第12条 町は、家庭教育、学校教育、社会教育等のあらゆる分野において、男女平等意識の醸成、個性及び能力の育成その他男女共同参画の推進のための必要な施策を講じます。

(性と生殖に関する健康と権利の確保)

第13条 町は、性と生殖に関する健康と権利が十分に確保されるように、情報の提供及び意識の啓発に努めます。

(農林業、商工業等の分野における施策)

第14条 町は、農林業、商工業及びサービス業の分野で、男女が共に充実感を持って働ける環境づくりを推進するため、必要な施策を講ずるよう努めます。

(防災及び復興分野における施策)

第15条 町は、防災及び復興分野で、男女共同参画の視点を踏まえた防災、被害者支援及び災害対応を推進するために必要な施策を講ずるよう努めます。

(家庭生活とその他の活動の両立支援)

第16条 町は、男女が共に育児、介護その他の家庭生活における活動及び地域、職場その他の社会のあらゆる分野における活動を両立できるよう必要な環境整備に努めます。

(積極的改善措置)

第17条 町は、家庭、学校、地域、職場その他の社会のあらゆる分野の活動において、男女間の参画機会に格差が生じている場合は、住民、事業者及び教育関係者と協力し、積極的改善措置を講ずるとともに能力開発に努めます。

2 町は、施策の立案及び決定に男女が平等に参画できるよう、審議会等の委員の構成及び人員配置について、基本計画に数値目標を掲げ、男女の均衡を図るよう努めます。

(性別による人権侵害に対する支援)

第18条 町長は、性別による人権侵害行為に関する相談者に対し、関係機関との連携の下に必要な支援を行います。

(苦情及び意見)

第19条 住民、事業者及び教育関係者は、町が実施する男女共同参画の推進に関する苦情及び意見を町長に申し出ることができます。

2 町長は、前項の申出があった場合には、関係機関との連携の下に、適切に対応します。この場合において町長は、第21条で定める審議会に意見を聴くことができます。

(国際社会との協調)

第20条 町は、国際的な理解と協調の下に男女共同参画を推進するため、住民及び事業者が国際交流を図ることができるよう支援に努めます。

第6章 柴田町男女共同参画審議会

(審議会の設置)

第21条 町長は附属機関として、柴田町男女共同参画推進審議会(以下「審議会」といいます。)を設置します。

2 審議会は、次に掲げる事項について調査審議を行います。

(1) 第10条に定める基本計画に関すること。

(2) 第11条に定める施策に関すること。

(3) 前2号に定めるもののほか、男女共同参画推進に関すること。

第7章 雑則

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定めます。

この条例は、平成24年4月1日から施行します。

柴田町男女共同参画推進条例

平成24年1月25日 条例第1号

(平成24年4月1日施行)